けいこらむ うちのあゆくん♯5 療育での言語訓練 表出方法の増やし方

療育での言語訓練には条件がある?!

これまで幾度か紹介してきたけれど、うちのあゆくんは気管切開をしていて、なおかつ声帯がガッチリ固まっていたので4歳になる前まで全く喋ることが出来なかった。

2歳で療育センターの親子通園に通い出した際、早い段階でSTさん(言語聴覚士)との面談があった。

療育を受ける子どもに対して、STさんの数は少ない。

希望しても全員が言語訓練を受けられる訳ではなく、条件があるのだ。

この面談では、あゆくんが言語の面でどのくらいの発達段階にいるかを調査した。

あゆくんは、「言語の理解は進んでいるが、表出が圧倒的に少ない」とのこと。

母としては、母が話しかけてあゆくんがそれに頷いたり首を振ったりして答えることで何となくコミュニケーションが成り立っているような気がしていたけれど、そうか、自分からの表現の幅をもっと広げる必要があるのか、と

改めて教えられた瞬間だった。

「知的には話せる能力はあるのに話せない、表出が乏しい」というギャップがある場合、STさんの訓練を受けられる対象になる。

あゆくんはもれなく対象になり、訓練を受けられることになったのである。

療育での言語訓練 その内容とは?!

あゆくんの場合、耳は聞こえて理解しているけれど声が全く出せない、という、あまり症例のないパターンだったので、STさんにとっては厄介?な存在だったろうと思う。

あゆくんの訓練を担当してくれたのは、とても若い先生。だけど若いから、とか、経験値が少ない、とか、そんなことは全く関係がなかった。

あゆくんの表出手段として、ベビーサイン、手話などの種類を増やしていく必要がある。

先生はあゆくんの状態を理解し、あゆくんにとって何が一番必要なのかを毎回考えてくれた。当時あゆくんは絶賛イヤイヤ期。集団療育ではブスっと怒って作業などを楽しむことが少なかったのだけど、STさんの訓練は本当に楽しそうにしていた。

訓練の内容は、例えばこんな感じ。

★「ぞうくんのさんぽ」という、ぞうくんの背中に動物たちが乗っていく絵本を使って「乗る」という手話を覚える

★宝物を部屋の中に隠して、宝探しごっこ。「どこ?」という手話を使って探し、見つけたら「あった!」という手話を使う

★果物屋さん設定のお買い物ごっこ。「ぶどう」「りんご」「バナナ」などの果物の手話を使い、「ちょうだい」の手話とつなげて会話形式に。

お買い物バッグもあって、リアルさがとても楽しそう。

こういった楽しい経験をしながらの手話は、それはもうすぐ覚えて、自宅でもさっそく活用していた。

月に1回しか訓練がないので、次回までに新しく10個くらい覚えてこよう!という宿題も出た。

宿題と言われると、親も子も少し意識して普段から手話を使うようになる。こうしてあゆくんは次第に手話の幅を広げていった。

療育での言語訓練 声が出るようになってからは?!

その後STの先生が代わり、訓練方法も変わるなどして新しい手話を覚えるのに停滞が続いた時期もあって、生まれた時からお世話になっている病院での言語訓練が出来ないか相談したこともあったけど、「声が出せない子の訓練は受け入れてない」という回答。

こんな子でも療育としてST訓練をしてくれる、ということ自体がありがたいことなんだな、と実感したこともあった。

あゆくんの声が、かすれはひどいものの少し出るようになってから、面白い訓練をした。

一見ただのかわいいぬいぐるみのゾウさんだけど、マイクが接続されている。

マイクに話しかけると、その音でぞうさんが動くのだ!

あゆくんは楽しそうにマイクに向かってあー、あー、と声を出していた。

声帯が狭くて音を出すのが精一杯の時期だったけれど、少し長めに息を吐いたり、声の強弱を付けてみたりと、声を出す練習をすることができた。

療育の言語訓練 遊びの要素が重要!!

療育での言語訓練を経て思ったこと。the訓練、っぽくなると、とたんにそっぽをむいて、大あくびをしだすあゆくん。分かりやすい。

つまりは、遊びながら、楽しく、が前提じゃないと訓練内容だって入ってこないのだ。

話せるようになった今でも、言葉より先に手話が出てくることが稀にある。

それは当時、とても楽しくニコニコしながら覚えたものばかり。

自ら表現する方法を増やすには、「伝える」ことで「変わった」「いいことがあった」「楽しかった」そんな記憶と同調することが大切なのだなー、と思っている。

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