障がい児保育って、普通の幼稚園と何が違うの?特別なことをするの?そんな疑問はありませんか?
今回はそんな「障がい児保育」(主に療育施設)の内容についてお話していきます。

障がい児保育って特別なの?
障がい児保育とは、障がいのあるお子さんや、気になることがあるお子さんに配慮しながら行う保育のことを言います。
お子さんの気になる点はどんなことでしょう。
言葉が遅い、多動がある、など、知的面や情緒面が気になる、肢体や視覚、聴覚に不自由がある、など、さまざまな状況があるでしょう。
障がい児保育では、それらの障がいに合わせた支援を行います。お子さんによって出ている症状や悩みはさまざまですから、1人1人に合わせて保育を行う訳です。
では、通常の「保育」とは具体的にどう違うのか、見ていきましょう。
障がい児保育のスペシャルなところ

まず、障がい児保育の特別な点は、障がい児に対して保育者の数が多い!ということです。
個別に対応する訳ですから、必然的に保育者の数も必要となります。
筆者の子どもが通っていた療育施設の場合、子ども9〜11人に対して先生は2人〜3人いました。少人数で保育を行うので、目が行き届きやすく、子どもの「困った」に即座に対応することができます。
また、機能や言語などの専門的な分野を担う、理学療法士や言語聴覚士なども保育に携わってくれることも大きなポイント。
歩くのが遅かった我が子には、まず理学療法士さんが歩くための訓練を行ってくれ、更に食事が摂りにくい、と相談した時は歯の上にパンスティックを乗せてカミカミの訓練をしてくれ、自分からの表現が乏しい、となれば、言語聴覚士さんと共にどうすれば表現の幅が広がるか試行錯誤しながら訓練を行いました。お子さんによっては訓練の必要性が無い方も多いですが、我が子の場合、多くの専門分野の先生にお世話になりました。
もし障がい児保育を行っていなかったら…、専門の先生に診てもらう、という選択が出来ていたかどうか、出来ていたとしても、遅くなっていたのではないか、と思います。
障がい児保育の具体的内容 普通の幼稚園と何が違うの?

さて、障がい児保育の内容ですが、「設定課題」といって課題が毎日決められており、内容的には通常の幼稚園と同じようなものです。
楽器を使ってみたり、プールに入ったり、運動遊びをしたり、季節の制作をしてみたり。
そんな中で、ベタベタの感覚が苦手な子には他の素材の物を使う、とか、手先を使うのが苦手な子は訓練も兼ねて手指遊びをする、とか。障がい児保育の場合は、配慮ありきで遊びを考えてくれます。
中には、気持ちが乗らなかったり、苦手な内容だったりして課題に参加できないお子さんもいますが、それもOK。ほんのちょっと触れてみるとか、遠巻きに見るとか、ちょっとでも関わりを持てたらバンザイです。たくさん褒めてもらって、自己肯定感を高めて課題を終える。それが障がい児保育の重要な一面でもあります。
また、食事面のフォローが手厚いのも特徴の1つ。食べ物の形態を、ペースト、みじん、粗みじん、普通、と、子どもが食べられる形態で提供してもらえます。状況によって、持ちやすいスプーンを使ったり、こぼれにくいお皿を使ったり。子どもの負担を少なくし、安全に、安心して日常生活を送る工夫があらゆるところに見られます。
集団の中での障がい児保育
最近では、障がいに理解を持ち、健常児と同じ環境で保育を行う保育園や幼稚園も増えてきました。集団の中で、どれだけの配慮が為されるのか、園の采配による所も大きいのが現状ですが、健常児と保育を行うことで刺激をもらい、成長が促されるという利点もあります。ご自分のお子さんに必要なのは、個人の状況に応じた、特別で手厚い配慮なのか、それともたくさんのお友達による刺激なのか。
お子さんが楽しく過ごせる環境選びの参考にしてみてくださいね。